月がきれいなら

これからの時間を意識して暮らそうと思って。

読書で癒される

「癒し」という言葉は極力つかわないようにしているのですが、読書は癒しの効果があるなと思っています。

 

少し前に放送されたものですが、NHKのプロフェッショナル(湊かなえさんの回)の録画を観て、改めてそんなことを考えました。

 

湊さんは、誰しも心の中にはダークな部分があって、その人がおかれた環境や人間関係などによって、ダークな部分が小さくなったり、膨らんだりするのではないかということを話されていました。

 

ご自分でそのダークな部分にダイブして、書かれているとのことでした。

 

私は学生の頃によしもとばななさんの本をよく読んでいました。

傷ついた主人公が物語のなかでいろいろな人と出会ったり、出来事を体験したりしていくなかで少しずつ回復していく過程を、読書を通じて追体験することで、自分の心も少しずつ癒えていくような感覚があったのだと思います。

 

 

特別に傷つくようなことがあったわけではないけれど、大人になりつつあるデリケートな時期に、よしもとばななさんの作品が静かでやさしい時間を保証してくれていたように思います。

 

今の私はだいぶ図太くなってきて、ちょっとやそっとのことでは動じなくなってきました。それはらくにはなったけれど、前と同じように作品を味わえなくなってきたところは少し寂しくも感じます。